1. そとん壁は“下地が命”になる理由
そとん壁は、単に塗って終わり…ではありません。
狙っているのは 「水は入れない、でも湿気は逃がす(透湿)」 という状態です。これを成立させるために、
・透湿防水シート(モルタル下地用)で一次防水
・波形ラスでモルタルの食いつき・剥離対策
・そとん壁専用下地材を所定厚で施工
・全面メッシュ伏せ込みでクラック抑制
という流れを、工程ごとに丁寧に積み上げていきます。
2. 下地づくり(透湿防水シート → 波形ラス → 専用下地材)
2-1. 透湿防水シートで「雨は止めて、湿気は逃がす」
まず、外壁内部への雨水侵入を抑える一次防水として、モルタル用の透湿防水シートを施工します。壁内の湿気を外へ逃がしやすくする考え方で、通気性を活かす“土台”になる工程です。
2-2. 波形ラスで「絡み」を作り、剥離リスクを下げる
次に、波形ラスを緊結。波形形状はモルタルが絡みやすく、下地とモルタルの一体化を助けます。地震や温度変化など、外壁にかかるストレスを考えると、こうした“絡み”を作る工程はとても大切です。
2-3. 専用下地材+全面メッシュでクラックを抑える
そとん壁は、専用下地材を使うことが前提のシステムです。さらに当社では、下地材を塗りながら全面にメッシュを伏せ込むことで、表層にかかる応力を分散し、クラックの発生を抑制する方向で施工しています。
現場によっては「平ラスにする」「専用下地材を使わない」などの話を見聞きすることもありますが、そとん壁の性能(通気・防水設計)を活かすには、システムとしての下地仕様を守ることが重要だと当社は考えています。
3. 乾燥確認 → 仕上げ工程へ
下地が十分に乾かない状態で仕上げへ進むと、施工後の不具合リスクが上がります。そのため当社では、季節や日照・通風条件を見ながら、乾き・硬化の状態を確認して次工程へ移行します。
4. 掻き落とし仕上げ(“タイミングが8割”の伝統仕上げ)
今回の仕上げは、そとん壁の表情を最大限に引き出す 「掻き落とし」。
塗り付けた仕上げ材の水引き(乾き具合)を見極め、半乾きの最適な瞬間に、剣山(専用道具)で表層を削って骨材を露出させます。
掻き落としの魅力は、
・陰影が深く、光の当たり方で表情が変わる
・塗装では出せないマットな質感
・左官の“手の仕事”がそのまま残る
という点。写真でも動画でも質感が伝わりやすく、建物の印象を一段引き上げてくれます。
5. そとん壁が“メンテナンスフリーに近い”と言われる理由
そとん壁(シラス壁)が評価されるのは、見た目だけではありません。
メーカー側でも、シラスの特性として 透湿性、耐候性(紫外線による劣化・退色に強い方向)、カビ・藻がつきにくい方向などが紹介されています。
塗膜で守る外壁とは発想が違い、素材そのものの安定性で長期の美観を狙える。
そして何より、年月を重ねるほど建物に「味」が出るのが、左官の塗り壁の魅力だと感じています。
6. 合同会社ヒラシマは「鏝人の会」加盟店です
当社は、高千穂シラスの公式ネットワーク 「鏝人の会」 の加盟店です。材料の特性を理解したうえで、下地から仕上げまで正規仕様を基本に、品質優先で施工しています。
近年はサイディングや樹脂系塗装仕上げが主流ですが、左官の塗り壁は「素材感」「陰影」「経年の味わい」が最大の魅力です。
そとん壁は、通気性(透湿)を活かしながら、雨水を入りにくくするという考え方で成り立つ仕上げ材。だからこそ、見た目以上に下地の仕様が重要になります。メーカーが推奨する施工の考え方に沿って、“正しい下地づくり”から“仕上げ”までをまとめます。
そとん壁は、仕上がりの美しさだけでなく、通気・防水の考え方を含めた「システム壁」です。
だからこそ当社は、見えなくなる下地工程を省略せず、長く安心して住める外壁を目指して施工しています。
外壁の塗り壁(そとん壁)をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。新築・リフォームどちらも対応可能です。