■モルタル素地の玄関ポーチが難しい理由
モルタル素地仕上げの魅力は、素材感がそのまま見えることです。
しかし裏を返せば、表面のわずかなムラ、押さえの甘さ、乾燥の差、収縮の影響まで、仕上がりにそのまま現れます。
しかも、乾燥収縮によるひび割れは、材料の性質としてゼロを断言できるものではありません。ACIの資料でも、乾燥収縮によるひび割れは多くの構造物で完全にはなくせず、設計や施工によって“最小化する”考え方が重要だとされています。つまり大事なのは、ひび割れが起きやすい材料であることを理解したうえで、どこまで丁寧に抑え込めるかです。
■今回の現場で行った“見えない工夫”
今回の玄関ポーチでは、見た目の美しさだけでなく、できる限りクラックを抑えるために材料選定から工夫しました。
まず使用したのが、FD-15左官モルタル用。合同会社ヒラシマの製品案内では、ひび割れ低減、ブリージング抑制、表面強度の向上、施工性の向上などが特長として案内されています。さらに今回は、**クラックアウトPS(15mmの繊維材)**も併用し、内部から割れにくい方向へ補強をかけています。ヒラシマの公開ページでも、FD-15やクラックアウトは、モルタル施工時のクラック対策材として紹介されています。
ただし、材料を入れればそれで安心という話ではありません。
現場では、下地の状態、厚み、気温、日当たり、風、締まり具合を見ながら、均しと押さえのタイミングを細かく調整していきます。施工写真のように、型枠・塗り付け・均し・押さえ・仕上げまで、各工程で少しずつ判断が必要になります。こうした積み重ねが、最終的な表情の美しさと不具合の出にくさにつながります。
また、仕上がりを長持ちさせるうえで欠かせないのが養生です。NMRCAの資料でも、適切な養生はひび割れの低減だけでなく、耐久性や耐摩耗性、長期的なサービスライフの向上につながるとされています。つまり、完成直後の見た目だけでなく、その後の持ちまで含めて施工品質が問われるということです。
仕上がった玄関ポーチは、装飾を足しすぎない、静かで上質な表情になりました。
木部との相性もよく、住宅全体の雰囲気を引き締めながら、主張しすぎない存在感があります。
モルタル素地仕上げは、派手さはありません。
ですが、だからこそ家そのものの質感や設計の良さを引き立てる仕上げでもあります。最近は、タイル貼りとは違うミニマルな雰囲気を求めて、こうした玄関ポーチを選ばれる方も増えています。
玄関まわりを、既製品っぽくない雰囲気にしたい。
タイルではなく、もっと素材感のある仕上げにしたい。
シンプルだけど、しっかり“手が掛かっている”家にしたい。
そんな方には、モルタル素地の玄関ポーチはとても相性の良い選択肢です。
ただし、シンプルに見えるぶん、施工する職人の技術差が出やすい仕上げでもあります。
合同会社ヒラシマは、左官専門業者として、モルタルをはじめ、洗い出し、外構まわり、各種意匠仕上げまで、材料の特性に合わせた施工を行っています。公開されている御社サイトでも、モルタル仕上げ、玄関改修、洗い出しポーチなど、外部床まわりの事例が複数確認できます。
今回、北杜市の新築住宅で施工したのは、モルタル素地仕上げの玄関・ポーチ。タイルとは違う継ぎ目のない一体感、塗装では出しにくい無機質で落ち着いた表情、そして素材そのものの存在感が魅力の仕上げです。
一見するとシンプルなグレーの床ですが、実はこの仕上げ、左官の世界では“ごまかしがきかない”難しい仕事のひとつです。モルタルやコンクリート系の床は、乾燥にともなう収縮と下地や形状による拘束が重なることで引張応力が生まれ、ひび割れが起きやすい性質があります。さらに、風・低湿度・高温などで表面の水分が急激に失われると、初期のひび割れリスクも高まります。
だからこそ、私たち合同会社ヒラシマは、ただモルタルを塗って仕上げるのではなく、最初からクラック対策を前提に施工を組み立てます。
モルタル素地の玄関ポーチは、見た目はシンプルでも、実際はとても奥が深い仕事です。
ひび割れをできるだけ抑えるためには、材料選びだけでなく、下地、厚み、配合、施工タイミング、養生まで含めた総合力が必要です。
「ただのグレー」では終わらせない。
その一段奥にある手間と判断の積み重ねまで含めて、私たちは玄関ポーチを仕上げています。
北杜市・山梨県周辺で、モルタル素地の玄関ポーチ、クラック対策を意識した左官仕上げ、新築やリフォームの外構・玄関まわり
をご検討中の方は、ぜひ合同会社ヒラシマへご相談ください。写真とだいたいの寸法があると、より具体的にご案内しやすくなります。